毎日麺類

19歳。僕の話と映画感想の両方。ネタバレします。

『ビフォア・サンライズ』

僕、恋愛映画が好きなんです。

 

好きな恋愛映画は『エターナル・サンシャイン』『胸騒ぎの恋人』『ムーンライト』『ラ・ラ・ランド』『天使の涙』などなど。

 

日本の『南瓜とマヨネーズ』とか『花束みたいな恋をした』、『街の上で』とかも好き。

 

10代向け恋愛映画はあまり見ないのですが、『彼女の好きなものは』はお気に入りです。

 

そんな数々の恋愛映画の中でも特に好きなのは『ビフォア・サンライズ』。2回目の鑑賞で改めて好きだなーと思いました。

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男女が出会って、夜通し散歩と会話を楽しんで、別れるというプロットが単純に大好きなんです。なんせ僕はお散歩大好きなので。

 

今までのデートもお散歩を取り入れてましたし、喫茶店でじっくり会話する時間も作ってました。そんな僕がこの映画を見て感じたことは究極のデートはやっぱり散歩なんだなという事です。

 

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デートの目的って相手を知ることと、自分を知ってもらうことだと思うんです。知るために必要になるのは会話。

 

デートで遊ぶ場所といえば映画館だとか水族館、動物園とかですよね。これらは好きな人と一緒の物を鑑賞して会話をするためのキッカケに利用していると思うんです。だから初デートでディズニーの長蛇の列は厳しい。ディズニーが悪いんじゃなくて会話ができないという理由で厳しくなる。逆に会話ができるのならば、ディズニーに行ってもいいわけです。

 

全てのデートは結局、会話が中心。

そこで最強になのが、喫茶店。喫茶店は、椅子と机と珈琲という会話をする上で最高の場を与えてくれます。

ただ喫茶店は対面しちゃうじゃないですか。

それが初デートだと少し恥ずかしい。好きな人の顔をじっと見るのは照れるし、逆に自分の顔を見られるのは不安になります。

 

それを解決するのがお散歩。お散歩は横並び。

じっと顔を見れない環境。そしてお互い同じ景色を見ている。そして景色は変わり続ける。

話題は見つけようと思えば、いくらでも見つけられる。話題は地球規模。そして会話をしてお互い慣れ始めた辺りで足が疲れてくる。

その流れでご飯や喫茶店に行けば慣れた状態での対面。次の段階は行ける。最強。

 

まあ僕がお散歩が好きなだけです。お散歩が苦手な人は結構いる気がする。特にハイヒールとか履きたい人は難しいですね。

 

『ビフォア・サンライズ』が素晴らしいのは主人公のジェシーセリーヌがどちらとも散歩の才能がある点です。

 

ドイツのウィーン行きの列車で2人が出会って意気投合して、映画史上最高のデートの誘い方をして散歩スタート。散歩の冒頭でジェシーセリーヌがどこに行こうかという話になり、セリーヌが観光マップを見ようとするとジェシーが止めます。「そこの人に聞いてみようよ」と提案するんです。ここがもう素敵。ジェシーの観光マップにのってる情報よりも現地人のオススメの方が楽しそうという感性。散歩の才能アリ。

 

その後のバスでお互いが質問し合うシーンもとにかく好き。

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この2人は相手のことを知りたいと同時に、ちゃんと自分の話をしたがる所が好きです。

 

レコード屋のシーン。セリーヌが試聴室があると気付いた瞬間にジェシーが試聴室で一緒に聴こうと誘うのも好き。ジェシーは目の前の面白いことにすぐ飛び込める能力に長けているように感じます。

 

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試聴室で流したレコードが思ったより直球なラブソングで2人とも言わないけど心の中で「まるでこれ自分たちの歌じゃないか」と考えてそうな顔が良い。そしてジェシーが良いムードだと感じてセリーヌにキスしようとするけど、まだ早いかなとかセリーヌはまだ恋愛感情持ってないかもと躊躇する様子もとてもとても可愛い。

 

その後にいい景色が見れる展望台みたいな所に行って、セリーヌの方から「キスしたい?」って言ったらジェシーが「待ってました!!」って感じで結構激しめのキスするのも可愛いです。ジェシーはずっとしたかったんだなーって。なんなら、キスするムードもう一回作るために高い所に来たんだろうなー。

そして一回キスした後は結構頻繁にキスする所もリアルで良い。

 

あと2人とも恋愛に対して臆病だったり疑念を持っているところも好きです。ジェシーのあのエッチしたいんだろうけど、ただエッチしたい訳ではなくて本気で好きだからしたいんだけど誤解されたら嫌だから言えない感じとか、セリーヌの考えすぎて少し一歩引いてる感じとか。

 

運命的な出会いで、気が合ったのにジェシーアメリカで、セリーヌはフランスという超遠距離。なんならジェシー遠距離恋愛を失敗した直後。そして出会ったのがドイツ。なんで切ないんだろう。運命の相手と出会えても付き合えるとは限らないんだ。そもそも運命じゃなかったのかも。

 

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ここのお互い告白したらすぐ付き合うけど、遠距離は無理だから付き合えないな、どうしたらいいんだろうと思いながらイチャイチャしてる感じ。ずっと付き合う直前でのイチャイチャが堪らなく良い。

 

『街の上で』の主人公とイハの家での雑談の雰囲気を90分ずっと味わえる感じ。あれは完全な恋愛感情ではないけど。

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夜通し歩いて、朝になったあの感じ。

人生で何度かある朝ですよね。めっちゃ楽しかったけど少し落ち込む感じ。爽やかな風が吹いてるのに身体がベタついてるようにも感じる。

2人はお互いの国に帰らないといけない。

まだ関係性について結論が出ていないまま。

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切ないけどずっと幸福感に包まれる恋愛映画です。僕は恋愛映画にキュンキュンは求めてないですけど、この映画はキュンキュンします。